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給料・待遇

保育士の給料はいくら?平均月給・年収・手取りを公的データで整理

求人票の月給を見て「これって多いの、少ないの?」と手が止まる——この問いは、数字を並べるだけでは解けません。同じ「平均」でも、どの調査の・何を含んだ額かで意味が変わるからです。だからこの記事は、いきなり結論を出さず、保育士の給料を数字の出どころからほどいていきます。額面と手取りの違い、経験で開く差、給料が動いてきた背景まで、あとで自分の求人票と比べられる形に整えました。

先に結論 保育士の平均月給は約27万7千円、平均年収は約407万円(令和6年・公的統計)。ここでいう月給は税込の「額面」で、手取りは概ね2割ほど引かれて月22万円前後が目安です。金額は年齢・経験・地域・施設によって大きく動くので、平均は「自分の位置を測る起点」として使うのがちょうどいい。

保育士の平均月給・年収(公的データ)

まず全国平均から。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和6年)で、保育士の「きまって支給する現金給与額」は月27万7,200円、年間の賞与などが74万1,700円。月給を12か月分にして賞与を足すと、平均年収はおよそ407万円になります。

項目金額(全国平均)
平均月給(きまって支給する現金給与額)27万7,200円
年間賞与その他特別給与額74万1,700円
平均年収(月給×12+賞与)約407万円

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種(保育士/企業規模計10人以上・男女計)。年収は月額×12+年間賞与で算出。

「額面」と「手取り」は別もの

ここで一度立ち止まりたいのが、この27万円台が何の数字かということ。「きまって支給する現金給与額」は、基本給に毎月の手当(残業代などを含む)を足した税込の総支給額で、手取りではありません。社会保険料と税金が引かれるので、実際に口座に入るのは額面の8割前後。月27.7万円なら、手取りはだいたい22万円前後という読み方になります。求人票の「月給◯◯万円」も同じで、そのまま使える金額ではない、と最初に押さえておくと誤差が減ります。

年齢と経験でどれくらい変わるか

平均の一枚だけ見て「保育士=407万円」と丸めてしまうと、いちばん知りたい「これから上がるのか」が抜け落ちます。同じ調査を経験年数・年齢で切ると、伸びしろが見えてきます。

区分年収の目安
経験0年目(新人)約285万円
経験15年以上約464万円
年収がもっとも高い層(55〜59歳)約466万円

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種(保育士/経験年数別・年齢別)。

新人と経験15年以上で、年収の差はおよそ180万円。これは自然に上がるというより、経験を積んだ職員や、主任・施設長といった役職に就いた人が平均を押し上げている面が大きい。年齢を重ねれば自動で増えるのではなく、経験と役割が乗って初めて動く数字だと見るのが正確です。

保育士の給料が上がってきた理由=処遇改善のしくみ

「保育士はずっと薄給」という語り口はよく聞きます。ただ、制度の側を追うと、この10年ほどは意図的に引き上げられてきたことが資料から確認できます。国(こども家庭庁)の資料によれば、平成25年度以降、累計でおよそ23%の給与改善に加え、別途で月額最大4万円の改善が積み上げられてきました。

累計+約23%+別途 月額最大4万円
(平成25年度以降の保育士等の処遇改善/こども家庭庁)

さらに令和7年度(2025年度)から、処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲが一本化され、①基礎分・②賃金改善分・③質の向上分の3区分に整理されました。

出典:こども家庭庁「令和7年度以降の処遇改善等加算について」/「施設型給付費等に係る処遇改善等加算について」(令和7年4月)/子ども・子育て支援等分科会「処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲの一本化について」(令和6年12月)。

制度が3つに分かれていた頃は、書類も要件も複雑で「もらえているのか分かりにくい」という声が現場にありました。一本化はそれを整理し、園が職員へ配分しやすくする狙いです。ここで見落としたくないのは、加算はいったん園に入り、園が配分するという点。つまり平均の裏には「どう配ったか」という園ごとの判断が隠れています。

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💡 まひるの着眼点|「平均」がならしてしまうもの

求人票と制度資料を並べて読むと、平均額だけでは見えない段差が出てきます。

処遇改善のお金は、園を通って職員に渡ります。区分②③は合計の半分以上を毎月の給与で改善するルールがある一方、配分そのものには園の裁量が広がった。だから同じ「平均407万円」の世界でも、加算をどう乗せるかで園ごとに差が出る。求人票を見るときにわたしが必ず確かめるのは、月給の数字そのものより「処遇改善手当」「キャリアアップ研修」への言及の有無です。制度に積極的な園ほど、そこを言語化している。逆にどこにも書いていない求人は、金額が同じでも中身が読めない——そう疑ってかかるくらいでちょうどいいと思っています。

ここは正直に。この記事の数字は、いずれも全国の「平均」です。保育士の給料は地域(都市部と地方)、施設形態(公立・私立、認可・小規模など)、雇用形態(正社員・パート)で大きく振れます。手取りの2割目安も、扶養や自治体で変わる概算です。平均はあくまで自分の求人票を測る物差しで、「この園が高い/低い」を決める答えではありません。地域別・公立私立の差・賞与の実態は、別の切り口として順次まとめていきます。

最後に

保育士の給料は、平均で月27.7万円・年収約407万円。額面と手取りの差、経験で開く180万円の幅、そして処遇改善が園を通って配られるしくみ——この3つを押さえると、目の前の求人票の見え方が変わります。まずは自分の月給を「額面か手取りか」で置き直すところから始めてみてください。

参考データ(出典)
・厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種(保育士/企業規模計10人以上・男女計/経験年数別・年齢別)
・こども家庭庁「令和7年度以降の処遇改善等加算について」/「施設型給付費等に係る処遇改善等加算について」(令和7年4月)
・こども家庭庁 子ども・子育て支援等分科会「処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲの一本化について」(令和6年12月)
※本文中の数値は上記公的資料に基づく概況です。金額は施設形態・地域・時期・雇用形態により異なります。最新の詳細は各公式資料をご確認ください。