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データで見る保育

潜在保育士とは?資格を持つ115万人——登録185万人と従事69万人の差

「保育士は足りないのに、資格を持つ人はたくさんいる」——この一見矛盾した話の鍵が、潜在保育士という言葉です。この記事は、潜在保育士とは何かを定義から確認し、実際に何人いるのかを公的データで押さえます。数字の大きさに驚くだけで終わらせず、「その差が何を意味するのか」まで読み解きます。

先に結論 潜在保育士とは、保育士資格を持ちながら、保育の現場で働いていない人のこと。保育士登録者数は約185万人、実際に社会福祉施設等で働く従事者は約69万人で、その差=資格を持つが従事していない人は約115万人(令和5年・こども家庭庁)。資格保有者のうち現場にいるのは、およそ4割にとどまります。

潜在保育士とは(定義)

潜在保育士に法律上のきっちりした定義があるわけではありません。行政の資料では、保育士として登録されているが、保育所などの社会福祉施設で働いていない人を指して使われます。資格を取ってから一度も就職していない人、結婚・出産・転職で現場を離れた人、別の業種で働いている人などが含まれます。資格は生涯有効なので、「今は働いていないが資格は持っている」層が年々積み上がっていきます。

潜在保育士は何人いる?(登録者数と従事者数の差)

数を測るには、2つの数字を並べます。登録者数(資格を持つ人)と、従事者数(実際に施設で働く人)。この差が、現場にいない資格保有者の規模です。

区分人数(令和5年)
保育士登録者数約185万人
従事者数(施設で働く人)約69万人
従事していない資格保有者約115万人

出典:こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」(令和7年10月)掲載「保育士の登録者数と従事者数の推移」(各年10月1日/令和5年)。登録者数=こども家庭庁成育局成育基盤課調べ、従事者数=厚生労働省「社会福祉施設等調査」。

登録185万人のうち、現場で働くのは69万人。資格を持つ人の3人に2人近くは、いま保育の現場にいないという構図です。しかもこの差は縮まるどころか、統計をさかのぼると年々開いてきました。資格を取る人は毎年増える一方、現場に定着する人がそのペースに追いついていない。潜在保育士の増加は、保育士不足の“供給側の裏返し”として見るのが正確です。

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💡 まひるの着眼点|「115万人」は在庫ではなく、条件待ちの人たち

この数字を「予備軍がたくさんいる」と読むと、たぶん本質を外します。

115万人という数字は、しばしば「掘り起こせば足りる」という文脈で語られます。でも資料を読むと、行政が力を入れているのは“数を数えること”ではなく、戻ってこられる条件を整えることのほうです。就職準備金の貸付、短時間から試せる復帰の枠、保育士・保育所支援センターでのマッチング——どれも「資格はあるが、いまの条件では戻れない」という前提に立った施策。だから求職者の立場で見ると、115万人は競争相手ではなく、「自分の希望条件を言語化して交渉していい」という空気の裏づけです。売り手市場は、条件を満たせない人を無理に戻す市場ではなく、条件を提示できる人が選ばれる市場——そう捉えると、復帰の相談もしやすくなります。

ここは中立に。登録者数には、認可外施設や幼稚園で働く人、すでに保育の仕事を引退した高齢の資格保有者も含まれます。つまり「115万人がすぐ働ける待機層」というわけではありません。従事者数の集計方法も年によって変わっており(令和5年から認定こども園の扱いが変更)、単純な前年比較には注意が要ります。数字は規模感をつかむための目安として読んでください。

最後に

潜在保育士とは、資格を持ちながら現場を離れている人のこと。登録185万人に対し従事69万人、差は約115万人という規模です。この数字は「保育士が余っている」のではなく、「戻る条件が整えば戻れる人がいる」ことを示しています。数字の背景にある不足の構造は保育士不足はどれくらい深刻かで、実際に戻るときの進め方はブランクから保育士に復帰するにはで整理しました。

参考データ(出典)
・こども家庭庁「保育人材の確保のための総合的な対策」(令和7年10月)掲載「保育士の登録者数と従事者数の推移」(各年10月1日)
・登録者数:こども家庭庁成育局成育基盤課調べ/従事者数:厚生労働省「社会福祉施設等調査」
※人数は上記公的資料に基づく概況です。集計方法は年により変更があり、単純な年次比較には留意が必要です。