【2026年版】保育士の家賃補助・独自手当がある自治体まとめ|金額・条件を公式資料で整理
最終更新:2026年7月時点|本記事は公式資料の改定に合わせて随時更新する資産ページです。
同じ「保育士」でも、住む・働く自治体が変わるだけで、家賃補助や独自手当で年間数十万円の差がつくことがあります。この記事は、家賃補助や独自手当のある自治体を関東→関西→九州の順に、金額・対象・条件・申請の要点と公式リンクつきで整理したものです。園での勤務経験がない私が書けるのは、あくまで公表資料を読み解いて分かる範囲まで。金額は必ず一次資料にあたって拾い、出どころを添えています(2026年7月時点)。
「家賃補助」と「独自手当」は何が違う?
ひとくちに「家賃補助」と言っても、性格の違う2つが混ざっています。ここを分けて読むと、求人票の見え方が変わります。
| 種類 | 国の宿舎借上げ支援 | 自治体の独自手当 |
|---|---|---|
| しくみ | 園が借りた宿舎の家賃を補助。お金は園を通る | 自治体が保育士へ直接、または施設経由で支給 |
| 財源・範囲 | 国の制度(自治体が実施主体)。全国共通の枠組み | 自治体ごと。金額・対象・条件がばらばら |
| 使うときの注意 | 園が制度を使っていないと利用できない | 全園が対象とは限らない。正規のみ等の条件も |
宿舎借上げは「園に紐づく住まいの補助」、独自手当は「自治体が上乗せする給与・一時金」。両方ある自治体では重ねて受けられることもあります。
自治体でいくら変わる?全国早見表(2026年7月時点)
金額の大きい順ではなく、関東→関西→九州の地域順に並べています。金額は要点のみ。詳しい対象・条件・申請は、表の下の地域別セクションと各公式リンクで確認してください。
| 自治体 | 主な独自制度(正式名称) | 金額の目安 | 公式 |
|---|---|---|---|
| 関東 | |||
| 取手市 | 民間保育士等処遇改善補助金(とりで手当) | 新規採用応援20万円+勤続功労10〜20万円/回 | 公式 |
| 松戸市 | 松戸手当(保育施設従事者支援補助金)ほか | 月4.5万〜7.8万円+新卒家賃補助 月3万円+宿舎借上げ | 公式 |
| 千葉市 | 保育士さん応援宣言 | 給与上乗せ 月最大4万円+家賃補助 月最大6.3万円 | 公式 |
| 所沢市 | 有資格者給与改善費補助金 | 月2.8万円(施設経由)+宿舎借上げ | 公式 |
| 三郷市 | 保育士等への給与上乗せ・宿舎借上げ | 給与上乗せ 月最大4.5万円+宿舎借上げ 月6.5万円(令和6年度時点) | 公式 |
| 厚木市 | 保育士等就労応援給付金(あつぎ手当)ほか | 年15〜50万円(勤続別)+転入奨励助成金 最大20万円 | 公式 |
| 茅ヶ崎市 | ちがさき保育士就職奨励金・就労継続奨励金 | 就職10万円+継続10万円(計最大20万円)+宿舎借上げ(園による) | 公式 |
| 関西 | |||
| 四條畷市 | 保育士等への給与上乗せ・宿舎借上げ | 月4万円・年間最大48万円+宿舎借上げ(5年目まで) | 公式 |
| 豊中市 | とよなか保育士助成金(第7次)ほか | 3年で最大96万円(市外はポイント12万円)+宿舎借上げ 月最大7.3万円 | 公式 |
| 八尾市 | やお保育士サポート手当(保育士確保事業費補助金) | 3年勤続で計30万円(宿舎借上げと併用不可) | 公式 |
| 和泉市 | 保育士等就職支援補助金 | 最大50万円(1年目25万+2年目25万) | 公式 |
| 西宮市 | 保育士確保事業(就職応援一時金ほか) | 一時金 各10万円(1・3・5年目)+宿舎借上げ 月上限8.2万円の3/4 | 公式 |
| 姫路市 | 私立教育・保育施設職員処遇総合支援事業ほか | 給与上乗せ 月2万円(〜3年目)/1.5万円(4年目〜)+住居借上げ 月8.2万円上限 | 公式 |
| 神戸市 | 保育士確保策「6つのいいね」(令和7・8年度予定) | 一時金 7年で最大160万円+宿舎借上げ 月最大10万円+奨学金返還 | 公式 |
| 大津市 | 潜在保育士等就職支援給付金ほか | 年間最大12万円+奨学金返還支援 | 公式 |
| 草津市 | 保育士等就職定着応援支援金ほか | 3年で計30万円+宿舎借上げ+奨学金返還支援 | 公式 |
| 九州 | |||
| 福岡市 | 保育士向け家賃補助・奨学金返済支援 | 家賃補助 月1万円上限+奨学金返済支援 | 公式 |
| 大村市 | 保育士等就職祝金・保育士等継続応援金 | 区分により異なる(県外は加算・3年分割)※金額は公式参照 | 公式 |
金額はいずれも上限・目安で、実際の支給額は勤続年数・勤務形態・園の実施状況で変わります。表と本文の数字は一致させていますが、最新は各公式でご確認ください。
関東の保育士家賃補助・独自手当はいくら?
関東は「宿舎借上げ+自治体独自の給与上乗せ・一時金」を重ねる自治体が目立ちます。新卒か、勤続何年目かで受けられる額が変わる設計が多いのが特徴です。
取手市(茨城県)
金額:とりで手当は2本立て。①新規採用応援=20万円(1回限り、勤務実績6カ月以上2年未満で申請)②勤続功労=3年目10万円→5年目12万円→8年目15万円→10年目以降は5年ごとに20万円。対象:市内民間園の保育士等(保育教諭・幼稚園教諭・看護師・調理員などを含む)で、1日6時間以上・月20日以上、設置者に直接雇用されている人。申請:毎年1月(令和8年は1月5日〜31日)、市から本人へ直接振込。▶ 取手市 公式
松戸市(千葉県)
金額:松戸手当(保育施設従事者支援補助金)は月額45,000〜78,000円(1〜11年目は45,000円、12年目以降49,800〜78,000円、20年目以降78,000円)。加えて新卒向けの家賃補助 月3万円上限、宿舎借上げ(補助率3/4・上限4.8万円/戸・採用年度から5年度間)、修学資金 最大72万円(市内5年勤務で全額免除、千葉県の貸付と併用で最大192万円)。注意:全園が実施しているわけではなく、派遣は対象外です。▶ 松戸市 公式
千葉市
金額:保育士さん応援宣言として、給与上乗せ 月額最大4万円+家賃補助 月額最大63,000円。新卒1年目でも年間最大およそ123万円という規模です。ほかに修学資金 最大170万円、就職準備金 最大40万円(いずれも返還免除ありの貸付)。対象・条件:市内の対象施設に勤める保育士等。▶ 千葉市 公式
所沢市(埼玉県)
金額:有資格者給与改善費補助金として月額28,000円を施設経由で支給。あわせて宿舎借上げ補助あり。対象:市内の特定教育・保育施設等の有資格者(保育士・保育教諭・幼稚園教諭・看護師・保健師・栄養士・調理師)で、1日6時間以上・月20日以上勤務する人。▶ 所沢市 公式
三郷市(埼玉県)
金額:給与上乗せ 最大月額45,000円(施設経由)+宿舎借上げ 月65,000円まで。加えて保育士の子どもの入所調整で加点があります。注意:この内容は市公式ページの令和6年度時点(更新日2024年4月1日)の情報です。年度で更新されることがあるため、申し込み前に最新の金額を公式で再確認してください。▶ 三郷市 公式
厚木市(神奈川県)
金額:保育士等就労応援給付金(あつぎ手当)は令和6年度から拡大。常勤(1日6時間以上・月20日以上)は勤続年数に応じ年額15万円(4年未満)/27万円(4〜10年)/33万円(10〜20年)/50万円(20年以上)。非常勤(月64時間以上)は一律 年3万円。別に転入奨励助成金 最大20万円(一律5万円+転入経費 上限5万円+家賃の支払いがあれば一律10万円。1年以内の退職では返還となる場合あり)。▶ あつぎ手当 公式/転入奨励 公式
茅ヶ崎市(神奈川県)
金額:ちがさき保育士就職奨励金(1年目)10万円+就労継続奨励金(勤務1年経過後に別途申請)10万円で、2段構えの計最大20万円。宿舎借上げは園により有無・金額が異なります。申請:就職奨励金は勤務開始から3か月以内など期限あり(2年以上継続勤務の見込み等が要件)。▶ 茅ヶ崎市 公式
関西の保育士家賃補助・独自手当はいくら?
関西は大阪・兵庫・滋賀を中心に、給与上乗せ型と就職・定着への一時金型が充実しています。「宿舎借上げと手当の併用可否」を必ず確認したい地域です。
四條畷市(大阪府)
金額:令和7年度、正規職員の保育士等に月4万円(うち1万円は施設負担)・年間最大48万円を給与上乗せ。宿舎借上げは勤務5年目まで。対象:保育士・保育教諭・看護師・准看護師・保健師・幼稚園教諭・小学校教諭・養護教諭。▶ 四條畷市 公式
豊中市(大阪府)
金額:とよなか保育士助成金(第7次)は、市内在住の新規就職者に3年間で最大96万円(半年ごと16万円、市から直接振込)。市外在住者はマチカネポイント12万円分(一括)。加えて宿舎借上げ 最大月73,000円、入所優遇、保育料半額貸付(月2.7万円以内・2年勤務で免除)。条件:週30時間以上の直接雇用、1980年4月2日以降生まれ、施設長・役員は除く。▶ 豊中市 公式
八尾市(大阪府)
金額:やお保育士サポート手当(保育士確保事業費補助金)は3年勤続で合計30万円(年10万円×3年)。対象:正規職員。園長・副園長・主幹・主任は除外。重要な注意:宿舎借上げ(上限8.2万円/戸)とは併用不可です。手当を取るか宿舎借上げを取るかで手取りが変わるので、入職前に園へ確認を。ほかに応援パスポート、入所優遇あり。▶ 八尾市 公式
和泉市(大阪府)
金額:保育士等就職支援補助金として最大50万円(採用1年目25万円+2年目25万円、勤務先経由で支給)。対象:新規(保育士歴が通算1年未満)、または直近の退職から3年(36月)以上空けた復職者。市外在住でも可。常勤(月20日以上・1日6時間以上・社会保険被保険者)で、施設長は除く。▶ 和泉市 公式
西宮市(兵庫県)
金額:保育士確保事業として、①就職応援一時金=令和4年4月以降の採用者に1年目・3年目・5年目で各10万円 ②宿舎借上げ=月上限82,000円の3/4を市が補助(自己負担は1〜2万円程度)③奨学金返済支援=年間返済額の半額・上限10万円×最大6年 ④保育士試験の学習費用の半額(上限15万円)。加えて入所加点55点。▶ 西宮市 公式
姫路市(兵庫県)
金額:私立教育・保育施設職員処遇総合支援事業ほか。給与上乗せは3年目まで月額2万円、4年目以降 月額1.5万円を経験年数無制限で支給(月120時間以上勤務、施設経由)。加えて住居借上げ(月8.2万円上限×最長5年、転入者・通勤困難者向け、経費の3/4補助)、保育料半額支援、資格取得授業料の全額補助。▶ 姫路市 公式/住居借上げ 公式
神戸市(兵庫県)
金額:保育士確保策「6つのいいね」(令和7・8年度予定と明記)。①一時金=1〜2年目最大30万円、3〜7年目最大20万円(7年間で最大160万円)②宿舎借上げ=月最大10万円(市在住・採用後7年以内)③奨学金返還=月5千円まで(7年目まで)④保育料補助=月2.7万円上限・最大1年 ⑤試験学習費用の半額 ⑥学び支援。条件:公立は除く。1日6時間以上・月20日以上。▶ 神戸市 公式
大津市(滋賀県)
金額:潜在保育士等就職支援給付金は年間最大12万円(6か月経過で就労継続奨励金6万円+さらに6か月で就労定着支援金6万円)。加えて奨学金返還支援(返還額の半額・年間最大24万円)。対象:潜在保育士が新規採用され、週30時間以上勤務する人。注意:対象となる採用期間は「令和7年10月1日〜令和8年9月30日」(公式で確認した現行値)。この期間は年度ごとに更新される可能性があるため、最新は公式で確認を。▶ 大津市 公式
草津市(滋賀県)
金額:保育士等就職定着応援支援金は、勤務1年経過ごとに10万円×3年=合計30万円(毎年度申請・年度末支給。令和8年度から電子申請、交付年度の5月31日締切)。加えて宿舎借上げ、奨学金返還支援、保育士の子の入所最優先調整。対象:市内私立園に新規勤務の常勤(週30時間以上)で、市内勤務実績がない人。▶ 草津市 公式
九州(福岡・大村)の保育士家賃補助・手当は?
九州は件数こそ関東・関西より絞られますが、家賃補助や就職祝金の形で用意されています。
福岡市
金額:正規保育士に月1万円上限の家賃補助(施設経由で申請)。加えて奨学金返済支援(当初の返済期間の最大半分の期間、返済額の一部を補助)。▶ 福岡市 公式
大村市(長崎県)
制度:保育士等就職祝金(新規就職・3年以上の継続勤務の意思が要件。県外/県内/市内の区分で金額が異なり、県外からの就職には加算あり・3年分割で支給)と、保育士等継続応援金(勤続期間の区分に応じて交付)の2本立て。金額:区分により異なるため、正確な額は公式のチラシ・案内でご確認ください(本記事では確認できた一次資料の範囲にとどめ、区分ごとの具体額は断定しません)。なお令和8年度から制度が新しくなる予定と案内されています。▶ 就職祝金 公式/継続応援金 公式
国の宿舎借上げ見直しと「東京の壁」——2026年の動き
自治体の手当を読むうえで、背景にある国レベルの2つの動きも押さえておくと判断がぶれません(いずれも2026年7月時点)。
① 国の宿舎借上げ支援は「5年以内・1人1回」へ
令和8年度の国の保育士宿舎借上げ支援事業は、対象が採用日から起算して5年以内の常勤保育士で、1人1回限りに整理されています(本事業を使って退職するとその後は原則対象外。やむを得ない事情と認められる場合のみ、残り期間の範囲で再対象)。あわせて、特別区や財政力指数1.0超かつ国庫補助額1億円超の自治体では、国の補助割合が見直されます。
出典:こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算案の概要」。
② 「東京の壁」——隣接自治体の格差是正を5県が要望
2026年(令和8年)7月1日、埼玉・千葉・奈良・和歌山・佐賀の5県が連名で、保育士の処遇改善に関する要望書を国(内閣府特命担当大臣)へ提出しました。要点は、勤務実態に即した公定価格・人件費部分の明確化、地域区分見直しで隣接自治体間に大きな差を生じさせないこと(国家公務員の地域手当準拠からの脱却)、財政力による地域格差の防止の3点。公定価格の地域区分は2027年度予算編成の過程で検討される見通しです。
出典:埼玉県「保育士の処遇改善に係る国への5県共同要望」(令和8年7月1日)。
最後に
保育士の家賃補助・独自手当は、自治体ごとに二層(国の宿舎借上げ+自治体の上乗せ)で重なり、手厚い地域と控えめな地域の差がはっきり出ます。金額の大きさだけで飛びつくより、対象期間・併用可否・全園実施かどうかまで見てから比べると、生活に効く形が選べます。まずは志望する自治体名で公式を1つ開いて、自分が対象になるかを確かめるところから。給料そのものの全体像は保育士の給料はいくら?平均月給・年収・手取りを公的データで整理、額面と手取りの差は保育士の手取りはいくら?、加算のしくみは保育士の処遇改善手当とは?で整理しています。
・こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算案の概要」(保育士宿舎借上げ支援事業の対象要件・補助割合見直し)https://www.cfa.go.jp/…/20260123_policies_hoiku_yosan_26.pdf
・埼玉県「保育士の処遇改善に係る国への5県共同要望」(令和8年7月1日・埼玉/千葉/奈良/和歌山/佐賀)https://www.pref.saitama.lg.jp/b0616/news/page/news2026070101.html
・各自治体の制度・金額・対象・条件は、本文中の各公式リンク(市区公式ページ)に基づく。
※金額・条件・対象期間は自治体・年度・施設により異なり、全園実施ではない場合があります。最新の詳細は各公式資料・自治体窓口でご確認ください。
各自治体の要綱を並べていて、金額表より脚注のほうに大事なことが書いてある、と何度も思いました。
求人票に「宿舎借上げあり」と出ていると、つい月いくら補助されるかに目がいきます。でも国の資料を読むと、宿舎借上げは「採用から5年以内・1人1回」に整理されつつある。つまり、使えるのは入職して最初の数年で、しかも一度使って転職すると原則もう使えない——これは金額表には出てこない、期間と回数のルールです。だから私が見るのは、補助額そのものより「自分は対象期間のどこにいるか」「独自手当(自治体が直接くれる型)と宿舎借上げ(園経由の国制度)のどちらが軸か」。八尾市のように両者が併用不可の自治体もあります。家賃補助は“使えるうちに使う”前提で、転職のタイミングと重ねて考えると、後悔の少ない選び方になると思います。